R5年8月25~27日② 「耳なし芳一」 at 大濠公園日本庭園 茶会館

本番まで余裕がない「耳なし芳一」であります、声色俳優岩城朋子です!!
岩城と同じ雇われの身である演出家ながら、なぜか脚本や構成のことで板挟みになる山口ミチロウさんを励まし、いえ彼の演出に敬意を抱き、そして稽古終わりの酒を酌み交わしながら日は流れております。

岩城の役どころは、本編は想像にもれず二位尼、安徳帝を抱いて入水した婆です。
そして関連小噺の2作品の内容は以下。

①創
一人の住職が法要の帰り道で出逢う、老女の霊。うっすらとした姿とついつい会話をしてしまう住職は、翌年にも同じ道を通り・・・

岩城解釈の種あかし、つまり老女は二位尼。同じ道に漂い続けるしかない霊に住職が成仏への渡りをつけたと読んでいます。俗世の住職がコミカルに人間くさく演じられればと思ってます。

②祭
浜辺で祭の準備を行う老女と子供たち、そして幼子の安徳帝は母の帰りを待ちわびている。その祭の準備中に地蔵の前に現れる女性、子供のひとりがその女性に近づけないと老女に訴え・・・

岩城解釈の種あかし、ここでも老女は二位尼。子供たちも壇ノ浦で安徳帝と共に亡くなった平家の霊。母との再会を待つ安徳帝ですが、あの世での再会も果たせず、同じ浜辺で永遠に祭の準備をし漂い続ける身。しかし、地蔵の前に現れたのが生き残った安徳帝の母、徳子。徳子の顔をみてギョっとする二位尼だが、彼女は徳子の実母であり、取り返しのつかない運命に打ちひしがれるのです。
必見は地蔵の前の徳子の変化!!

この解釈、
平家物語を知らないと劇は難解と思うのです。んん・・どうするつもりなの制作部。